公務員試験 H30年 国家一般職(化学) No.38解説

 問 題     

TCA 回路(クエン酸回路)に関する次の記述のうち最も妥当なのはどれか。

1.TCA 回路では,アセチル CoA の補酵素 A が酸化され,NAD+ とFAD が生成する。
2. 1 分子のアセチル CoA が TCA 回路で酸化されると 1 分子の CO2 が生成する。
3.TCA 回路の駆動物質であるアセチル CoA は,糖と脂質のみに由来する。
4.グルタミン酸は,2ーオキソグルタル酸(aーケトグルタル酸)となり TCA 回路に入る。
5.TCA 回路の構成酵素であるコハク酸デヒドロゲナーゼは,解糖系の構成酵素でもある。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
TCA 回路では水素を補足し、補酵素は還元され、NADH2+ や FADH2 が生成されます。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
CO2 「2」分子です。これは 「アセチル」が「C2」であることから考えるとよいのではないでしょうか。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
この記述は「タンパク質に由来しない」ということを述べています。しかし、タンパク質を分解してできるアミノ酸の分解により、アセチル CoA は供給されます。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
解糖系の構成酵素ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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