公務員試験 H30年 国家一般職(化学) No.39解説

 問 題     

表は,試料A,B における遺伝子 X の発現量を,リアルタイム PCR(定量的PCR)により測定した結果である。この結果の解釈に関する次の記述の空欄に当てはまるものとして最も妥当なのはどれか。ただし,各遺伝子のPCR の効率はいずれも100 % であったとする。「試料 A における遺伝子 X の発現量は,試料 B のおよそ □ である。」

1. 8 分の1
2. 3 分の1
3. 3 倍
4. 8 倍
5. 12 倍

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

内在性コントロール遺伝子に注目すると、差の 0.4 は実験誤差と考えられます。よって、試料 A と 試料 B の Ct 値の差は ちょうど 3.0 と解釈されます。

Ct 値とは、ある閾値に達するまでの PCR サイクル数です。PCR は1サイクルで 遺伝子を 倍に増やします。従って 3 サイクルの差があるということは ある閾値に達するまでのサイクル数が、試料 A の方が 3 サイクル多く必要だったということです。すると「もともと発現していた遺伝子量が 1/8 だった」と考えられます。

以上より、正解は 1 です。

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