公務員試験 H30年 国家一般職(化学) No.27解説

 問 題     

飛行時間型質量分析計(TOFーMS)に関する次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。ただし、記述中の ■ は、表記を伏せていることを示す。なお、1 Da = 1.66 × 10-27 kg(12C 原子の質量の 1/12)である。

「図は、TOFーMS の概念図である。静止した状態から、一定の電圧 V で加速されたイオンの速さ v は、エネルギー保存則より、v =  ■ と表される。ここで、m はイオンの質量、z はイオンの電荷数、e は電気素量である。

長さL の飛行管を、イオンが速さ v で飛行すると仮定すると、飛行時間 T は、T = L / v であるので、T =  ■ と表される。L と V が一定であれば、T は m/z ㋐する。理論上、TOFーMS では、測定可能な質量の上限は㋑とされる。」

㋐ ㋑
1.に比例 ない
2.に比例 105 Da 程度
3.の平方根に比例 ない
4.の平方根に反比例 ない
5.の平方根に反比例 105 Da 程度

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

イオンの電気量を q = eZ とすると、eZV = mv2/2 が成立します。これより 2eZV = mv2 ∴v = √(2eZV/m) です。従って、L,V が一定であれば、T = L/v = L/ √(2eZV/m) なので、T は m/Z の平方根に比例します。

以上より、正解は 3 です。

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