公務員試験 H30年 国家一般職(化学) No.26解説

 問 題     

ある物質 X の 3. 25 mmol・L-1 ヘキサン溶液の透過率が,光路長 2. 50 mm のセル中,波長 270 nm において0. 100(10 %)と測定された。この波長における X のモル吸光係数(モル吸収係数)はおよそいくらか。

1.  1.2 ×102 L・mol-1・cm-1
2.  2.3 × 102 L・mol-1・cm-1
3.  4.6 × 102 L・mol-1・cm-1
4.  1.2 × 103 L・mol-1・cm-1
5.  2.3 × 103 L・mol-1・cm-1

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

吸光度(A)は、透過率の逆数の常用対数のことです。透過率を T とおけば、A = log10(1/T) = -log10T です。A = kcL が溶液の試料濃度 c と、層長 L(光路長)の間に成立します。k は物質固有の定数で、モル吸光係数です。1 cmの厚みをもつ 1 mol/l の溶液中を光が通過したときの、光の強さの比の逆数となります。単位は l / (mol・cm)です。

ヘキサン溶液の濃度は 「m」を × 10-3 になおしておくと 3.25 × 10-3 mol/L です。光路長は cm になおしておくと 2.5 × 10-1 cm です。透過率が 0.1 なので、逆数は 10 です。よって吸光度は log1010 = 1 です。従って、1 = k × (3.25 × 10-3) × (2.5 × 10-1) となります。

以上より、選択肢の値を代入して検討すれば、正解は 4 です。

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