公務員試験 H30年 国家一般職(化学) No.24解説

 問 題     

イオン交換膜法に関する次の記述の ㋐,㋑,㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「代表的な電解工業に食塩電解工業がある。その中のイオン交換膜法では,両極間を㋐イオンのみを通過させる膜で分離し,食塩水を電気分解する。カソード側では㋑が,アノード側では㋒が得られる。」

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1.水素と水酸化ナトリウム水溶液塩素
2.水酸化ナトリウム水溶液塩化水素
3.水素と水酸化ナトリウム水溶液塩素
4.水酸化ナトリウム水溶液塩化水素
5.塩化水素水酸化ナトリウム水溶液

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     


食塩電解は、食塩 → NaOH の工業的製法です。用いるのは「陽」イオン交換膜です。これが基礎知識です。陽イオン交換なので、膜には陰イオンが並んでいるイメージになります。そのため、並んでいるイオンと同符号である「陰」イオンは反発して通過できません。陽イオンのみが通過できる膜です。

食塩電解は、NaCl と H2O が材料です。
陽極で NaCl が電気分解して Na+ と Cl になる → 陽イオンだけ通過する膜を通過して、陰極に Na+ が引かれて移動していく→ Na+ が OH – と反応して NaOH ができるという流れです。陽極側では Cl- がポコポコできるから、2Cl → Cl2 + 2e で塩素が得られます。

以上より、正解は 1 です。

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