問 題
イオン交換膜法に関する次の記述の ㋐,㋑,㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「代表的な電解工業に食塩電解工業がある。その中のイオン交換膜法では,両極間を㋐イオンのみを通過させる膜で分離し,食塩水を電気分解する。カソード側では㋑が,アノード側では㋒が得られる。」
/ | ㋐ | ㋑ | ㋒ |
1. | 陽 | 水素と水酸化ナトリウム水溶液 | 塩素 |
2. | 陽 | 水酸化ナトリウム水溶液 | 塩化水素 |
3. | 陰 | 水素と水酸化ナトリウム水溶液 | 塩素 |
4. | 陰 | 水酸化ナトリウム水溶液 | 塩化水素 |
5. | 陰 | 塩化水素 | 水酸化ナトリウム水溶液 |
正解 (1)
解 説
食塩電解は、食塩 → NaOH の工業的製法です。用いるのは「陽」イオン交換膜です。これが基礎知識です。陽イオン交換なので、膜には陰イオンが並んでいるイメージになります。そのため、並んでいるイオンと同符号である「陰」イオンは反発して通過できません。陽イオンのみが通過できる膜です。
食塩電解は、NaCl と H2O が材料です。
陽極で NaCl が電気分解して Na+ と Cl– になる → 陽イオンだけ通過する膜を通過して、陰極に Na+ が引かれて移動していく→ Na+ が OH – と反応して NaOH ができるという流れです。陽極側では Cl- がポコポコできるから、2Cl– → Cl2 + 2e– で塩素が得られます。
以上より、正解は 1 です。
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