問 題
次は,現代社会に関する記述であるが,A,B,Cに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
・U.ベックは,『A 社会』などの著書において,近代産業社会の進展によって人類に豊かさがもたらされた一方, A が地球規模で人々の生活を脅かしているとした。
・B は,『リキッド・モダニティ』などの著書において,現代社会をソリッド・モダニティからリキッド・モダニティへの変化として特徴付け,セキュリティ社会や消費社会のありようなど,現代社会の現状についての分析を行った。
・R.パットナムは,『哲学する民主主義』の中で,イタリアの地域による「制度パフォーマンス」の研究において,成果の違いを生み出すものとして「C 」という考えを導入し,これを結束型(bonding)と橋渡し型(bridging)に区分した。
解 説
A ですが
U.ベックは「リスク社会」(邦訳:危険社会)などの著書で「現代社会=コントロール困難、不可視的、複雑な影響をもたらすリスクが増大しつつある社会」と主張しました。リスク論について、他にドイツの社会学者 N.ルーマンも代表的人物です。
B ですが
リキッド・モダニティなどの著者は「Z.バウマン」です。A.シュッツは現象学的社会学の提唱者です。現象学的社会学とは、哲学におけるフッサールの現象学的アプローチを社会学に応用する立場です。日常的生活社会が対象であり、人々の認識や意識を通じて社会的現実が理解されるという観点からのアプローチといえます。(H26no54)
記述 C ですが
結束型と橋渡し型という分類から「社会関係資本」が妥当です。メリトクラシーとは、M.ヤングにより提唱された、「能力に基づく社会的地位への選抜・配分を基本原理とする」という考えかたのことです。(H29no34)
以上より、正解は 5 です。
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