公務員試験 H30年 法務省専門職員 No.56解説

 問 題     

我が国の文化に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.西田幾多郎は,江戸時代の文化文政期に見られる「いき」の構造について,「媚態」,「意気地」,「諦め」の三つの要素から構成されていると分析し,一般的に日本文化特有のものとされてきた「いき」を,西洋文化にも共通する普遍的なものとして位置付けた。

2.柳田国男は,ヨーロッパまでの船旅で様々な気候風土に接した経験から,世界の風土を三つのパターンに分け,そのうち「牧場型」に分類される日本の風土特性が,何事にも動じず落ち着いているという日本人の国民性と密接に関係していると指摘した。

3.濱口惠俊は,日本の文化や社会の在り方を「タコツボ型」と呼び,日本の学問の世界では,それぞれの分野の研究者が「タコツボ」のように独立して研究に専念してきた結果,個別の分野ごとに高度な専門性を持つに至ったと肯定的に評価した。

4.中根千枝は,幼児期の母子関係に由来する心性である「甘え」が,日本人の場合は,成人後においても人間関係の基礎となっているとして,日本人の性質を,未熟で他者依存的であり,健全な精神生活にとって好ましくないとして批判した。

5.R.ベネディクトは,文化相対主義の立場から,欧米文化が「罪の文化」であるのに対して,日本文化は「恥の文化」であるとした上で,「恥の文化」における善行は,他人のまなざしという外面的な強制力に基づいてなされると論じた。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが
「いきの構造」で、日本文化を分析したのは九鬼周造です。西田幾太郎ではありません。選択肢 1 は誤りです。西田幾太郎は哲学者です。「善の研究」が代表的著作です。

選択肢 2 ですが
「風土」で、世界の風土を3つに分け、空間的に人間考察を行ったのは和辻哲郎です。柳田国男ではありません。選択肢 2 は誤りです。柳田国男は民俗学者です。「遠野物語」が代表的著作です。

選択肢 3 ですが
日本の文化や社会の在り方を「タコツボ型」と呼び「批判」したのは丸山眞男(まさお)です。浜口恵俊(えしゅん)ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
「甘えの構造」で、日本人心理を鋭く分析したのは土居健郎(たけお)です。中根千枝ではありません。中根千枝は社会人類学者です。女性初の東大教授です。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
R.ベネディクトの代表作は「菊と刀」です。

以上より、正解は 5 です。

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