公務員試験 H30年 法務省専門職員 No.34解説

 問 題     

P.ブルデューの理論に関する記述A〜Dのうち,妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

A.彼は,『監獄の誕生』において,一望監視装置に着目し,規律化について論じた。彼は,学校は監獄と同様に近代社会における規律訓練のための装置であるとし,学校では,効率的に従順な身体を形成するために様々な技術が使用されており,一望監視装置に見られるように,没個人化された権力が作用しているとした。

B.彼は,「限定コード」と「精密コード」の二つの言語コード論を提唱し,中間階級と労働者階級では子供たちの学業達成がなぜ異なるのかについて分析した。彼は,労働者階級では,「限定コード」を習得する機会が少ないため,学校における「限定コード」に対応できないことが,学業不振の原因であるとした。

C.彼は,家庭環境を通じて親から子へと相続され,又は学校教育を経て獲得される文化的な資産を「文化資本」と呼んだ。彼は,「文化資本」は,知識,教養,技能などの「身体化された様態」,書物,絵画,道具などの「客体化された様態」,学歴や資格などの「制度化された様態」の三つの様態から成るとした。

D.彼は,教師の期待によって,子供が知らず知らずのうちにその期待に応えようとする行動のことを「ハビトゥス」と呼んだ。彼は,教師の期待がポジティブであった場合には,「ハビトゥス」は子供の能力を高めるが,教師の期待がネガティブであった場合には,「ハビトゥス」は子供の能力を抑制するとした。

1.A
2.B
3.C
4.B,D
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 A ですが
「監獄の誕生」の著者は、ミシェル・フーコーです。(参考 H28no57)。P.ブルデューではありません。記述 A は誤りです。

記述 B ですが
限定コードと精密コードの二つの言語コード論を提唱したのは、バジル・バーンステインです。また、労働者階級が習得する機会が少ないのは「精密コード」です。記述 B は誤りです。

記述 C は妥当です。
ブルデューの「文化資本」についての記述です。

記述 D ですが
ハビトゥスは、日常経験において蓄積されていくが、個人に自覚されないような、知覚・思考・行為を生み出す性向のことです。期待すると応える、期待されないと応えないという効果は、それぞれ「ピグマリオン効果」、「ゴーレム効果」についてと考えられます。記述 D は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

コメント