公務員試験 H29年 国家専門職(食品衛生監視員) No.4毒性学Ⅱ(2)解説

 問 題     

次の化学物質 A~E の名称と説明文として妥当なものを,名称群と説明文群から選び出し,それぞれの記号又は番号を記せ。

<名称群>ⓐカフェイン,ⓑアクリルアミド,ⓒニコチン,ⓓアコニチン,ⓔリナマリン(ファゼオルナチン),ⓕジギトキシン

<説明文群>
① ジギタリスに含まれる化合物。食べると不整脈や下痢などを引き起こす。

② トリカブトに含まれるアルカロイド。口腔の灼熱感や口唇のしびれなどの症状を引き起こし,量によっては死に至る。

③ キャッサバ,五色豆などに含まれる化合物。加水分解されてシアン化水素が生成する。

④ 食品を高温(120 ℃ 以上)で加熱調理することにより,食品中のアスパラギンが還元糖と反応して生成する。国際がん研究機関(IARC)は,グループ2A「ヒトに対しておそらく発がん性がある」に分類している。

⑤ タバコの葉に含まれるアルカロイド。悪心,流涎に始まる急性中毒を引き起こす。

⑥ コーヒー豆,茶葉に含まれるアルカロイド。中枢神経系興奮作用を有する。

 

 

 

 

 

 解 説     

A がカフェイン、B がニコチン、C がアクリルアミド、D がジギトキシン、E がリナマリンです。

① はジギトキシンについての記述です。
ジギタリスをキーワードに「ジギトキシン」を思い出し、構造の中で特に天然物毒物で複雑なものを選ぶと、Dを選択できるのではないでしょうか。

②はアコニチンについての記述です。

③は「加水分解されてシアン化水素」という記述から、青酸→CNを有する という連想を行えば E を選べると思われます。

④ですが、食品、120℃以上の高温 とくれば、アクリルアミドです。Cが対応する化学物質とります。

⑤ですが、タバコに含まれるアルカロイドとくれば、名称をふまえればニコチンを連想できると思われます。構造は B です。

➅は、コーヒーやお茶に含まれ、興奮作用があるとくればカフェインです。プリンアルカロイドであることなどをヒントに、A を選択したい記述です。

以上より
A→カフェイン a → ⑥
B→ニコチン c → ⑤
C→アクリルアミド b → ④
D→ジギトキシン f → ①
E→リナマリン(ファゼオルナチン) e → ③ です。

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