公務員試験 H29年 国家専門職(食品衛生監視員) No.4毒性学Ⅲ解説

 問 題     

(1)遺伝毒性発がん物質について,非遺伝毒性発がん物質との相違点が分かるように5 行程度で説明せよ。

⑵ジメチルニトロソアミン(Nニトロソジメチルアミン)について,食品の摂取を介したばく露及びその毒性を5 行程度で説明せよ。

 

 

 

 

 

 解 説     

解答例)
発がん物質の中で、遺伝毒性を示す or 示さない によって、遺伝毒性発がん物質と非遺伝毒性発がん物質に分類します。遺伝毒性試験では、化学物質等の曝露を受けた細胞のゲノムに対する潜在的な可逆的影響を評価します。遺伝毒性発がん物質は、このような遺伝毒性試験が陽性の物質です。これが陰性であっても「自然発生したがん原細胞の増殖亢進」といった、いわゆるプロモーション作用を有したり、ホルモン作用をもつ化学物質の一部などが、非遺伝毒性発がん物質です。

ジメチルニトロソアミンは、ハムやソーセージに、発色剤・防腐剤として使用される亜硝酸塩が、体内においてアミン類と反応して生成され、ばく露を受けることがあります。ジメチルニトロソアミンは、シトクロム P450 により脱アルキル化を受けることで代謝活性化されて、メチルジアゾヒドロキシドを経て、メチルカチオンが生成されます。このメチルカチオンが、DNAを修飾して発がん性を示します。

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