公務員試験 H29年 国家専門職(食品衛生監視員) No.3微生物学Ⅰ(3)解説

 問 題     

病原微生物の特徴に関する記述 ①~⑤ について,妥当なものには ○ を,妥当でないものには × をそれぞれ記せ。

① ウエルシュ菌は,偏性嫌気性の桿菌であり,芽胞を形成する際にエンテロトキシンを産生する。その毒素は熱に強く,加熱しても不活化されることはない。

② アニサキスは,線虫類に分類される寄生虫であり,タラなどを生食することにより感染することがある。

③ 腸炎ビブリオは,好塩性を示し2 ~ 5 % 食塩存在下でよく発育する。

④ リステリア・モノサイトゲネスは, 6 % 食塩存在下では生存できない。

⑤ セレウス菌が産生する毒素には,耐熱性と易熱性がある。

 

 

 

 

 

 解 説     

①ですが
前半は妥当な記述です。しかし、ウェルシュ菌エンテロトキシンは、熱や酸で容易に不活化されます。

②、③は妥当な記述です。

④ですが
リステリアは 10% 程度の高い塩分濃度でも生存可能です。

⑤は妥当な記述です。
下痢原生毒素であるエンテロトキシンは、加熱で失活します。一方、嘔吐毒は低分子物質で、加熱に対して安定な毒素です。

以上より、①☓、②◯、③◯、④☓、⑤◯ です。

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