公務員試験 H29年 国家専門職(教養) No.30解説

 問 題     

国際的協力関係等に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.国連では,世界の人道危機に関し,2012 年から毎年5 月に世界人道サミットが開催されているが,2016 年9 月には,特に難民問題について話し合うため,米国のオバマ大統領とドイツのメルケル首相の呼び掛けにより初めて難民サミットが開催された。同サミットでは,各国の難民の受入れ分担の割合について取り決めたニューヨーク宣言が採択された。

2.2015 年の国連サミットにおいて,開発協力の質を維持しつつ,各国で増加する政府開発援助(ODA)を抑制するため,開発分野における国際社会共通の目標である,持続可能な開発のための2030 アジェンダが採択された。これは,1990 年代以降に開催された主要な国際会議での開発目標をまとめたものである。

3.各国の沿岸で津波被害が多発していることに伴い,国連加盟国に対し津波に関する意識向上を促すため,2015 年の国連総会において,初めて防災に関する世界会議が開催され,11 月5 日を「世界津波の日」とする決議が採択された。その決議を契機として,我が国も同日を「津波防災の日」と定める法を整備した。

4.我が国は,「核兵器のない世界」の実現に向け,世界各国と共同して核軍縮・不拡散の議論を行っている。2015 年には,包括的核実験禁止条約(CTBT)が発効要件国44 か国の批准を経て発効した。翌年,同条約に違反して核実験を行った朝鮮民主主義人民共和国に対し,国連総会において制裁措置の強化が決定された。

5.2015 年の国連気候変動枠組条約第21 回締約国会議(COP21)において採択されたパリ協定は,京都議定書に代わる温室効果ガス排出削減等のための新たな国際的な枠組みである。2016年,同協定については,世界の温室効果ガス排出量の一定規模を占めていた米国と中国が批准したほか,インドや欧州連合(EU)なども批准し,同年11 月に発効した。

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

選択肢 1 ですが、世界人道サミット、難民サミット共に 2016 年に初めて開かれました。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが、「ODAを抑制するため」が明らかに誤りです。また、2030 アジェンダはミレニアム開発目標(MDGs)の後継目標です。 「2000年に採択された国連ミレニアム宣言と」、1990年 代の主要な国際会議で採択された国際開発目標を統合したものです。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが、国連防災世界会議が、第一回は 1994 年に開催されています。よって、選択肢 3 は誤りです。津波の日、津波防災の日は 11/5 でOKです。

選択肢 4 ですが、発効要件国の批准を経ておらず、未発効です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、妥当な記述です。

以上より、正解は 5 です。

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