公務員試験 H29年 国家専門職(教養) No.29解説

 問 題     

我が国の人口や社会保障等に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.平成26 年度の社会保障給付費における年金の給付費は,前年度に比べて増加し,過去最高を更新したが,生活保護基準の見直しが行われたため,社会保障給付費全体は前年度に比べて減少した。また,平成26 年度は社会保険料の収入が減少したため,社会保障財源に占める公費負担の割合が社会保険料の割合を上回った。

2.平成27 年の国勢調査では,全国においてオンライン回答方式が本格導入されたが,平成27年国勢調査人口等基本集計結果によると,我が国の総人口に占める65 歳以上人口の割合はドイツ,イタリアよりも高い一方,総人口に占める15 歳未満人口の割合はこれらの国よりも低く,12.6 % となった。また,世帯人員が1 人の世帯が一般世帯の3 分の1 を超えた。

3.平成27 年,公的年金全体に対する国民の信頼を高めるため,これまで厚生年金と三つの共済年金に分かれていた被用者の年金制度が,年金機能強化法によって厚生年金に統一され,制度的な差異の解消が図られた。一方で,年金制度の安定性を確保するため,同法により受給資格期間が10 年延長され,35 年となった。

4.平成28 年に育児・介護休業法が改正され,介護休業給付金が引き上げられるなど,仕事と介護の両立を可能とするための制度が整備された。介護休業は,対象家族一人につき1 回に限り,最長1 年まで取得することができるが,今回の改正で介護休業とは別に年20 日取得できる介護休暇が新設された。

5.平成28 年に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランは,平成27 年まで毎年閣議決定されていた骨太の方針と成長戦略が統廃合されたものであり,同プランでは「希望出生率2.0」という目標が掲げられた。また,保育士の処遇改善とともに,子どもを持つ全ての保護者が認可保育所を利用できる制度の整備を進めることとされた。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが、社会保障給付費全体は増加しています。 「減少」ではありません。 但し、対 GDP 比は少し減少です。内訳の特徴としては『高齢・保健』が 8 割超えです。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、妥当な記述です。

選択肢 3 ですが、将来の無年金者の発生を抑えるため、10 年に短縮されました。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、介護休業について、通算 93 日まで、3 回上限に分割して取得可能になりました。さらに、介護休暇については、元々1日単位ですが、半日単位の取得を可能としました。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、目標は「希望出生率 1.8」です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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