公務員試験 H29年 国家一般職(教養) No.36解説

 問 題     

世界の諸地域に関する記述A~Dのうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A:東南アジアは,アジアとヨーロッパの交易路に位置していたため,宗教や言語,芸術など様々な文化が流入してきた。交易の拡大とともにアラブ商人がもたらしたイスラームは,ミャンマーやマレーシアなどの国で広く信仰されている。また,欧米諸国から受けたキリスト教の影響も大きく,フィリピンではプロテスタントが普及している。

B:ヨーロッパでは,言語は主に,イタリア語やフランス語など南ヨーロッパを中心に用いられるラテン語派,英語やドイツ語など北西から西ヨーロッパにかけての地域で用いられるゲルマン語派,チェコ語やポーランド語など東ヨーロッパで用いられるスラブ語派に分けられる。また,古代ギリシャとローマの文化を受け継ぎ,キリスト教と深く結び付いた文化が発展した。

C:ラテンアメリカでは,16 世紀にスペインとポルトガルを中心とするヨーロッパの人々が進出し,現在でも多くの国でスペイン語やポルトガル語が公用語とされている。また,労働力としてアフリカ系の人々が連れて来られたことで,先住民,ヨーロッパ系,アフリカ系の文化や伝統が融合して独特の文化となった。例えば,ブラジルのカーニバルやアルゼンチンのタンゴが挙げられる。

D:サハラ以南のアフリカは,19 世紀末までに南アフリカ共和国を除くほぼ全域がヨーロッパ諸国の植民地となった。1960 年代をピークに多くの国が独立したが,現在でも旧宗主国との経済・文化面のつながりを持っている国は多い。例えば,フランスの旧植民地であるガーナでは,主食にフランスパンが好まれ,公用語であるフランス語を話す人が多い。

1.A,B
2.A,C
3.A,D
4.B,C
5.B,D

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

記述 A ですが、ミャンマーといえば仏教がメインです。また、フィリピンの大半はカトリックです。よって、記述 A は誤りです。

記述 B,C は妥当な記述です。

記述 D ですが、ガーナのかつての呼び名はイギリス領ゴールドコーストです。フランスの旧植民地ではありません。

以上より、正解は 4 です。

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