公務員試験 H29年 国家一般職(教養) No.31解説

次は,磁気に関する記述であるが,A~Dに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

磁極にはN極とS極があり,同種の極の間には斥力,異種の極の間には引力が働き,磁気力が及ぶ空間には磁場が生じる。磁場の向きに沿って引いた線である磁力線は, A 極から出てB 極に入る。

また,電流は周囲に磁場を作り,十分に長い導線を流れる直線電流が作る磁場の向きは,右ねじの進む向きを電流の向きに合わせたときの右ねじの回る向きになる。以上の性質及びレンツの法則を用いて,次の現象を考えることができる。

図Ⅰのように,水平面にコイルを置き,コイルに対して垂直に上方向から棒磁石のN極を近づけた。このときコイルにはC の向きに電流が流れる。これは,コイルを貫く磁束の変化を妨げる向きの磁場を作るような電流が流れるためである。

また,図Ⅱのように,図Ⅰと同じコイルに対して垂直に上方向へ棒磁石のS極を遠ざけたときは, D の向きに電流が流れる。

 A  B  C  D
1.N  S  ①  ③
2.N  S  ①  ④
3.N  S  ②  ④
4.S  N  ①  ③
5.S  N  ②  ③

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

「磁力線」は、N から出て S に向かいます

レンツの法則とは、電磁誘導による「誘導電流の向き」に関する法則です。その内容は「磁束の変化を妨げる方に電流が流れる」というものです。

図Ⅰでは、Nが近づいてきます。N を遠ざけたいので、N 極が上に出る方に電流が流れると推測できます。下図のイメージです。

①の方向で右ねじの法則を考えると、下図のように磁力線の方向がわかります。

磁力線の方向が「上→下」になってしまうので、逆とわかります。 C が②なので、正解は 3 です。

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