公務員試験 H29年 法務省専門職員 No.48解説

 問 題     

発達障害に関する記述 A~D のうち,妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

A.発達障害者支援法において,発達障害とは,自閉症,アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害,学習障害,注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものと定義されている。

B.発達障害者支援法において,市区町村が発達障害者支援センターを設置することが定められた。また,発達障害者に対して発達障害者福祉手帳が交付されることとなり,手帳の交付を受けた者は障害者総合支援法* に基づく各種福祉サービスを受給することが可能となった。

C.学習障害とは,文部科学省によれば,基本的には全般的な知的発達に遅れはないが,聞く,話す,読む,書く,計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものとされている。学習障害は,学校教育法に基づく特別支援教育の対象として位置付けられている。

D.注意欠陥多動性障害とは,不注意,多動,衝動性などの特徴が,同年齢の発達水準の子供に予想されるよりも顕著に認められる,男児よりも女児に多く見られる行動の障害であり,薬物療法は確立されていない。

* 正式には「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

1.A
2.B
3.A,C
4.B,D
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 A は妥当です。
発達障害支援法における発達障害の定義です。

記述 B ですが
発達障害者支援法第14条によれば、「都道府県知事は・・・社会福祉法人その他の政令で定める法人で・・・指定した者(以下「発達障害者支援センター」という。)に行わせ、又は自ら行うことができる。」とあります。「市区町村が設置」ではありません。また、「発達障害専用の手帳」は本試験時点でありません。記述 B は誤りです。

記述 C は妥当です。
学習障害についての記述です。

記述 D ですが
注意欠陥多動性障害(ADHD)は、子どもの頃は「男児」が診断されることが多く、大人になるにつれ男女差が小さくなるという傾向が見られます。「女児に多く」見られるわけではありません。また、対応は心理社会的治療と薬物療法が2本の柱となります。「薬物療法は確立されていない」わけではありません。記述 D は誤りです。

以上より、正解は 3 です。

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