公務員試験 H29年 法務省専門職員 No.36解説

 問 題     

平成28 年3 月に改訂された「学校評価ガイドライン」の内容に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.学校評価には,教職員が行う「自己評価」,保護者・地域住民等が行う「学校関係者評価」,外部の専門家が中心となって行う「第三者評価」の三つがあり,いずれについても,実施,結果の公表,設置者への結果の報告をすることとされている。また,各評価の結果を,教職員の人事評価において評価項目の一つとして用いることとしている。

2.自己評価のための評価項目や指標については,今後の学校経営の改善につながる実効性ある取組となるよう,網羅的で詳細かつ高度に専門的な内容とすることが求められる。また,自己評価は,校長のリーダーシップの下,全職員が参加して組織的に取り組むことが重要であり,少なくとも2 年度に1 回は実施することとされている。

3.学校関係者評価は,自己評価の結果について評価を行うことが基本とされており,自己評価の客観性を高めることに加え,学校関係者の協力を促進することを目的として行われる。学校関係者評価の実施は,時間的な制約等の理由から,アンケート調査によることとされている。

4.第三者評価は,自己評価や学校関係者評価の実施状況も踏まえて行われるものであり,これら二つの評価が効果的に実施されているかどうかを検証するという役割も期待されている。また,第三者評価を行う際には,それによって期待される効果と,実施のために必要な様々な負担を考量し,必要最小限の負担で最大限の効果を得られるよう工夫することが求められる。

5.各学校は,設置者に対しては,自己評価及び学校関係者評価の結果や,それらを踏まえた今後の改善方策を取りまとめた報告書を提出することとなっているが,保護者・地域住民等に対しては,各評価結果のみを公表すれば足りるとされている。各市区町村教育委員会の教育長は,その改善方策に基づく取組を立案・推進する重要な役割を担う。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
「学校評価と教職員の評価はそもそも目的が異なっており・・・切り分けて整理することが適当である」とあります。「評価項目の一つとして用いる」わけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
学校評価は「学校運営改善による教育水準向上」が目的であり、調査そのものが目的ではありません。「網羅的、、、高度に専門的」とすると、正に調査に時間や費用などがかかり、手段の目的化になってしまうと考えられます。保護者への公開という視点からも、高度に専門的ではわかりづらいのではないかと推測できるのではないでしょうか。選択肢 2 は誤りと考えられます。

選択肢 3 ですが
いわゆる「外部アンケート」と学校関係者評価は異なるものです。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
第三者評価についての記述です。

選択肢 5 ですが
学校関係者評価の結果について、公表の努力義務がありますが、「公表すれば足りる」という規定ではありません。また、教育委員会教育長の役割について、特段の記述は見られません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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