公務員試験 H28年 国家一般職(農学) No.33解説

 問 題     

植物の発育に関する記述A~Dのうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A.植物の花器官は,一般に,外側からがく片,花弁,雄ずい,心皮の順で配置し,雄ずいが花弁に変化した突然変異などにより,八重咲きの品種ができる。花器官が全て葉状の構造に置き換わる突然変異体の存在から,花は葉が変形したものであることが分かる。

B.光発芽種子の休眠打破には,青色光が有効であり,その効果は赤色光によって打ち消される。この現象は,吸収波長の異なる2 種類のクロロフィルが制御している。

C.高等植物が高等動物と異なる点の一つは,形態形成が胚の一時期に限定されず,器官分化が成長点において継続的に行われることである。茎頂分裂組織では未分化細胞が維持されている。

D.植物の根が重力の方向に伸びる性質は重力屈性と呼ばれる。重力を感じる部分は根毛にあり,コルメラ細胞におけるフェレドキシン含量が根の伸張方向を制御している。

1.A,B
2.A,C
3.A,D
4.B,C
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

記述 A は妥当な記述です。

記述 B ですが
赤色光で休眠打破、発芽促進です。よって、記述 B は誤りです。

記述 C は妥当な記述です。

記述 D ですが
コルメラ細胞における「デンプン粒を含んだアミロプラスト」が重力で沈むことにより、重力を感知しています。ちなみに、フェレドキシンは電子伝達タンパク質です。

以上より、妥当な記述は A,C です。正解は 2 です。

コメント