公務員試験 H28年 国家一般職(農学) No.30解説

 問 題     

次のA~Eは,昆虫(トビイロウンカ,イネミズゾウムシ,ベダリアテントウ,ウリミバエ,ミナミキイロアザミウマ)の模式図である。これらの昆虫に関する記述として最も妥当なのはどれか。ただし,図の縮尺は同一ではない。

1.Aはトビイロウンカであり,成虫,幼虫ともにイネの茎葉から吸汁し,ひどい場合には,イネは枯死する。翅多型現象があり,長翅型,短翅型の2 型が出現する。

2.Bはイネミズゾウムシであり,ハモグリバエ類の幼虫に寄生する天敵昆虫である。本種は,欧州,アジア,北米に広く分布している。

3.Cはベダリアテントウであり,ジャガイモなどの葉を摂食する。他のほとんどのテントウムシは捕食性の天敵であるが,この昆虫は,作物を食害する害虫となっている。

4.Dはウリミバエであり,ウリ類の大害虫である。我が国の西南諸島において,不妊虫放飼法による防除事業が実施された。この事例は, 5 年間で根絶に成功した画期的なものであった。

5.Eはミナミキイロアザミウマであり,花粉媒介昆虫として,広くトマトなどの施設栽培に導入されている。比較的低温でも訪花し,ミツバチが訪花しないナス科植物にも訪花する。

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。

選択肢 2,4,5 ですが
イネミズゾウムシの模式図は E です。ウリミバエの模式図が B です。ミナミキイロアザミウマの模式図が D です。よって、選択肢 2,4,5 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ベダリアテントウは、柑橘類の害虫であるイセリアカイガラムシの天敵です。よって、選択肢 3 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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