公務員試験 H28年 国家一般職(農学) No.17解説

 問 題     

野菜の機能性に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.緑黄色野菜とは,原則としてビタミンCを可食部1 kg 当たり600 ug 以上含む野菜のことをいう。ホウレンソウやカボチャ,ニンジンなどがある。なお,ビタミンC含量が600 ug 以下でも,摂取頻度が多いトマトやピーマンなども緑黄色野菜に含まれている。

2.機能性表示食品は,栄養成分を一定の基準量含み,栄養表示基準に定められた機能性表示を行うことができる食品である。特定保健用食品は,企業等の責任において,科学的根拠に基づき機能性を表示する食品で,国による個別の許可を受けたものではない。

3.厚生労働省が「平成25 年国民健康・栄養調査」にて発表した成人の1 日当たりの野菜摂取量は約280 g で,目標に掲げている1 日500 g を大きく下回っている。また,野菜摂取量は世代間で差があり,幼児を除くと60 歳代で最も少なく,20 歳代で最も多い。

4.近年,機能性成分を多く含む品種の開発が行われるようになった。含量を指標に交配と選抜を繰り返して,これまでに,リコピン含量の高いトマトやb⊖カロテン含量の高いニンジンの開発が行われている。

5.野菜には,セルロース,ペクチンなど柔らかい食物繊維が約20 % 含まれている。レタスは,ゴボウよりも多くの食物繊維を含む。食物繊維は,腸管を刺激してぜん動運動を促して便通をよくする。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
厚生労働省の基準によれば、可食部「100g」あたり 600μg 以上「カロテン」を含む野菜のことです。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
「機能性表示食品」は、事前の届出により、科学的根拠に基づき機能性を表示する食品です。また、「特定保健用食品」は、国による個別許可を受けています。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
目標値は「350g」です。平均値は高齢ほど高い傾向にあります。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
食物繊維をすごく多く含むとされる「オオムギ」でも、可食部の 10% 弱が食物繊維です。よって「約 20%」は多すぎると考えられます。また、レタスよりもゴボウの方が、割合として多く食物繊維を含みます。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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