公務員試験 H28年 国家一般職(農学) No.3解説

 問 題     

我が国における水稲の育苗管理に関する記述A~Dのうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A.水稲の種子は,発芽の揃いを良くするために水につけて吸水させる。これを催芽という。催芽の期間は,作業開始からの積算水温で100 ℃・日が目安である。播種時に芽が 5 mm 程度になったハト胸状態にするのが理想である。

B.水稲育苗箱を用いた育苗方法は,1970 年代に機械移植機の普及に伴い導入された。それまでの苗代方式が現在でも主流であるが,育苗様式が変化に富むようになった。育苗箱は,現在はプラスチック製で,外寸は一般に,縦,横,高さが,それぞれ60 cm,30 cm, 5 cm である。

C.播種後,出芽揃いに達した苗は,ハウス内やトンネル内に並べ,寒冷紗などで被覆をして直射日光を当てないように2 ~ 3 日間育苗し,葉緑素を形成させる。これを緑化という。緑化期間中に直射日光に当てると,白化苗が生じることがある。

D.乳苗は,葉齢が 2 前後の苗である。一箱当たり播種量は,稚苗よりも多い。稚苗や中苗に対して発根数が少ないため,ルートマットの形成が不十分になりやすい。このため,播種作業には,培土ではなく,ロックウール成型培地(マット)を利用することが多い。

1.A,B
2.A,C
3.B,C
4.B,D
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

記述 A ですが
芽が「1mm」程度になったハト胸状態が理想です。記述 A は誤りです。

記述 B ですが
「苗代方式」が現在でも主流という記述は明らかに誤りと考えられます。「苗代」とは、田植えができる大きさまで苗を育てる田んぼの一部や狭い田んぼのことです。

記述 C,D は妥当な記述です。
ちなみに「寒冷紗」とは荒く平織に織り込んだ布です。

以上より、正解は 5 です。

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