公務員試験 H28年 国家一般職(農学) No.4解説

 問 題     

我が国における麦類(コムギ,オオムギ)の栽培管理に関する記述A~Dのうち,妥当なもののみを挙げているのはどれか。

A.麦類の播種様式として,散播,条播,ドリル播(密条播)などがある。播種は,現在はほとんどトラクタに装備した播種機で行われており,ドリル播もその一つである。ドリル播では,播種溝切り,施肥,播種,覆土,鎮圧の各工程を一度に済ますことができる。

B.麦類の雑草対策としては,麦出芽後の土壌処理剤による処理と、生育期の茎葉処理剤による処理が基本である。主な雑草としてイネ科のスズメノテッポウ,シソ科のヤエムグラを挙げることができる。これらは,いずれも日本全土に分布する強害雑草である。

C.麦類の収穫適期は,穂が黄化し,子実が硬くなった時期である。オオムギは,コムギより早く成熟する。我が国では収穫期に雨が多く,稔った穀粒が穂についたまま発芽する穂発芽の発生がしばしば問題になる。

D.麦類の病害としては,うどんこ病,赤かび病,紋枯病,縞萎縮病などがある。縞萎縮病はオオムギとコムギの両麦種に発生するが,それぞれ異なる土壌伝染性の細菌によって引き起こされる。有効な対策としては,縞萎縮病抵抗性品種の導入がある。

1.A,C
2.A,D
3.B,C
4.B,D
5.C,D

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

記述 A は、妥当な記述です。

記述 B ですが
「出芽前」の土壌処理剤による処理です。また、ヤエムグラは「アカネ科」です。シソ科ではありません。記述 B は誤りです。ちなみに、スズメノテッポウ、ヤエムグラ共に、日本全土に見られる、一般的強害雑草という記述は妥当です。

記述 C は、妥当な記述です。

記述 D ですが
「紋枯病(もんがれびょう)」は、イネの病害です。また、縞萎縮病(しまいしゅくびょう)は「ウイルス性」の病害です。細菌によってではありません。

以上より、記述 A,C が妥当です。正解は 1 です。

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