公務員試験 H28年 国家一般職(化学) No.34解説

 問 題     

次のカルボン酸から酸無水物を得る反応式の、A と B に当てはまるものの組合せ ㋐ ~ ㋓ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

A  B
㋐ NaOH, C2H5Cl  CH3COOC2H5
㋑ NaOH, C2H5Cl  CH3COCl
㋒ SOCl2  CH3COCl
㋓ HCl,C2H5OH  CH3COOC2H5

  1. ㋐、㋑
  2. ㋐、㋓
  3. ㋑、㋒

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

カルボン酸は、酸触媒下でアルコールと反応してエステルができます。また、塩基触媒下でカルボン酸や塩化アシルと反応してエステルができます。従って、㋐ は妥当なものの組合せです。

㋑は、生成物がエステルではないため誤りです。

㋓は妥当なものの組合せです。

しかし、㋐ 及び ㋓ だと、その後 CH3COOーを加えても、エステルから酸無水物はできません。従って、㋐、㋑、㋓が誤りです。そうなると、正解は 4 です。

㋒ですが
カルボン酸に塩化チオニルなので、塩化アシル(RCOCl)ができます。
塩化アシルのカルボニル基 (C=O) に エトキシドイオン(CH3COO-)が求核攻撃して、Cl が脱離することで、酸無水物が生成されます。イメージは以下の通りです。

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