公務員試験 H28年 国家一般職(行政) No.43解説

 問 題     

最近の我が国の経済の状況に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

1.2014 年夏以降,景気の回復力に弱さがみられ,実質 GDP 成長率(季節調整済前期比)は,2014  年 7-9 月期から 2014 年 10-12 月期にかけて 2 四半期連続でマイナスとなった。2015 年 1-3 月期の実質 GDP は,個人消費や住宅投資がマイナスとなったものの,設備投資が大幅に増加したため,プラス成長となった。

2.政府は,2014 年末に,2015 年10 月に予定していた消費税率の 10 % への再引上げを延期し,2017 年 10 月に行うことを決定した。その際,2017 年10 月の消費税率引上げに向けては,経済状況等を総合的に勘案した上で実施することや,2030 年度の財政健全化目標の達成に向けた計画を策定することを明確にした。

3.地域別の有効求人倍率(季節調整値)をみると,2015 年1-3 月期は,北陸や東海等では 1 倍を超える一方で,北海道等では 1 倍を下回るなど,地域によるばらつきがみられるものの,2014 年 7-9 月期と比較すると改善がみられる。また,2012 年から2014 年にかけて,全ての地域において女性と高齢者の労働参加率が上昇している。

4.消費者物価指数(2010 年 = 100)についてみると,連鎖基準方式の「生鮮食品を除く総合」(季節調整値)及び「生鮮食品,石油製品及びその他特殊要因を除く総合」(季節調整値)のいずれも,2014 年夏から 2015 年半ばまでマイナス傾向で推移している。また,企業向けサービス価格(除く国際運輸)についても前年同月比ベースで,2014 年初めから 2015 年半ばまでマイナスで推移している。

5.2014 年の訪日外国人旅行客数は約 1,300 万人となり過去最高を記録した。特にアジアからの訪日が多く,2014 年の訪日外国人のうち 4 割強がアジアからの訪日となっている。さらに,2014 年の訪日外国人旅行客の消費金額も過去最高額を記録したが,同年についてみると,百貨店における外国人観光客向けの売上は伸び悩んでおり,外国人旅行客数の増加率以下の増加で推移した。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

H27 年次経済財政報告 の内容から主に出題されています。過去問で問われる事項を意識した上で、最新に目を通しておくとよいと思われます。

選択肢 1 ですが
実質 GDP 成長率は、2014 年 10ー12 月期においてプラスに転じ、2015 年 1-3月期もプラスです。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
消費税率引き上げを延期し、2017 年「4 月」に行うことを決定しました。「10 月」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
有効求人倍率についての記述です。

選択肢 4 ですが
消費者物価指数について、2014 年夏から 2015 年半ばまで、緩やかなプラス傾向の推移です。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
百貨店における外国人観光客向けの売上が「伸び悩んでいる」という記述には違和感を覚えるのではないでしょうか。選択肢 5 は妥当ではありません。

以上より、正解は 3 です。

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