公務員試験 H28年 国家一般職(行政) No.34解説

 問 題     

X財を生産する企業 1 とY財を生産する企業 2 の間には外部性が存在し,企業 1 は企業 2 に外部不経済を与えているとする。

企業 1 の費用関数は,c1 = 2x2 (x:企業1 の生産量,c1:企業1 の総費用)で表されるものとする。他方,企業 2 の費用関数は,c2 = 2y2 + 8x (y:企業 2 の生産量,c2:企業 2 の総費用)で表され,企業 2 は企業 1 の生産量 x に影響を受け,損害(追加的費用)を受けているとする。

X財とY財の価格は完全競争市場において決定され,X財の価格は 80,Y財の価格は 60 とす
る。

いま,二企業間で外部性に関して交渉が行われ,二企業の利潤の合計を最大化するように生産量を決めることが合意された場合,企業 1 の生産量 x はいくらになるか。なお,交渉のための取引費用は一切かからないものとする。

1. 10
2. 15
3. 18
4. 20
5. 24

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

企業 1 の利潤は、売上ー費用より、80x – 2x2 です。同様に、企業 2 の利潤は、60y – (2y2 + 8x) です。2企業の利潤の合計は、f(x,y) = (80x – 2x2) + {60y – (2y2 + 8x)} です。

まず、y を変数、x を定数として微分します。-4y + 60 となるため、y = 15 の時に 0 です。y = 15 を代入し、次は x を変数として微分します。-4x + 72 となるため、x = 18 の時に 0 です。従って、(x,y) = (18,15) の時に、合計利潤が最大です。

※二変数関数における最大・最小値の求め方は、一文字ずつに注目して、二回最小値を求めれば OK です。

※企業1が、自分の利潤だけ最大化しようとした場合、x = 20 となることを意識し、違いに注目するとよいです!

以上より、正解は 3 です。 

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