公務員試験 H28年 国家一般職(行政) No.33解説

 問 題     

完全競争市場の下で,ある産業における市場全体の私的総費用関数が、PTC= 2q2 +10 (PTC:私的総費用の大きさ,q:財の生産量)で表されるものとする。この財を生産するに当たって,外部不経済が存在し、C= q2 (C:外部不経済による費用)の費用が追加的に生じるとする。一方,この市場の需要関数が,q = -p/2 + 48(p:財の価格)で表されるものとする。

いま,政府が,社会的余剰を最大化するために,この産業に対し生産物1 単位当たりの課税を行った。この場合の税収の大きさはいくらか。

1. 144
2. 192
3. 256
4. 288
5. 384

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

私的総費用関数が PTC = 2q2  + 10 なので、微分すると、私的限界費用(PMC) = 4q です。社会的費用は、私的費用+外部不経済による費用なので、2q2  + 10 + q2 = 3q2  + 10 です。微分すると、社会的限界費用がわかります。社会的限界費用(SMC)は 6q です。需要関数を p について解くと、p = -2q + 96 となります。グラフに表すと以下のようになります。

社会的余剰を最大化するには、以下のようにグラフを上方に動かせばよいです。


赤色で表した直線は、傾きが 4 で、(12,72) を通ります。従って、p = 4q + 24 です。増えたのは「+24」なので、1単位あたりの課税が 24 とわかります。生産量 q = 12 なので、税収は 24 × 12 = 288 です。

以上より、正解は 4 です。

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