公務員試験 H28年 国家一般職(行政) No.35解説

 問 題     

ある財の市場は,先に生産量を決定するリーダーの企業Aと,それを受けて生産量を決定するフォロワーの企業Bの二社による寡占市場となっている。

この市場における逆需要関数は,P = 380 – 3(XA + XB)であるとする。ここで,P は財の価格,XA は企業Aの生産量,XB は企業Bの生産量を表す。また,二企業とも費用関数は,Ci = 20 Xi + 50 であるとする。ここで,Ci は,企業 i(i = A,B)の総費用,Xi は,企業 i(i = A,B)の生産量を表す。このとき,シュタッケルベルク均衡における企業Aの生産量はいくらか。

1. 30
2. 40
3. 45
4. 60
5. 90

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

複占における、フォロワーがいる場合のシュタッケベルク均衡についてです。仮定として「フォロワー側が、相手方の生産量を一定と考える」という点が基礎知識です。

企業 B の売上は、PXB  = (380 – 3XA – 3XB) XB  =  380XB   -3XA XB   -3XB 2 です。費用が 20XB   + 50 です。従って、利潤は 380 XB   -3XA XB   -3XB 2 ー(20XB   + 50) = 360XB   -3XA XB   -3XB 2 – 50 です。

XA を定数と考えます。XB で微分して、= 0 となる式を反応関数といいます反応関数は -6XB  + 360 – 3XA = 0 ・・・(1)です。

次に、 企業 A の利潤を考えます。
企業 A の売上は、PXA = (380 – 3XA – 3XB) XA = です。(1)より、XB を消去して整理すると、以下のようになります。

リーダーなので、利潤最大化条件が「限界収入=限界費用」であることに注意します。限界収入は、先程もとめた PX = -3XA 2/2 + 200 XA を微分して、-3XA + 200 ・・・(2)です。費用が 20 XA  + 50 です。限界費用は、費用関数を微分すればよいので、20・・・(3)です。(2)=(3)が利潤最大化条件なので、-3XA + 200 = 20 を解くと、XA = 60 です。

以上より、正解は 4 です。

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