公務員試験 H28年 国家一般職(行政) No.2解説

 問 題     

各国の議会に関する次の記述のうち,妥当なのはどれか。

1.米国の議会は,任期 6 年の上院と任期 2 年の下院から成る。上下両院とも議長は現職の議員から選出されるが,通常はそれぞれの院で多数を占める政党の有力議員が選ばれるため,両院議長の所属政党が異なる場合もある。

2.英国の議会は,貴族議員によって構成される貴族院と有権者の直接選挙で選出された議員によって構成される庶民院から成る。庶民院での首相指名選挙によって選ばれた者が国王から首相に任命される一方,貴族院は最高裁判所としての機能を有している。

3.ドイツの議会は,州議会の議員による間接選挙で選出された各州 6 名の議員によって構成される連邦参議院と,有権者の直接選挙によって選出された議員によって構成される連邦議会から成る。連邦参議院は州の権限・予算に関する法案にのみ議決権を持つが,その他の法案についても意見を表明することができる。

4.フランスの議会は,有権者の直接選挙によって選出された議員によって構成される国民議会(下院)と,国民議会議員や地方議員らによる間接選挙で選出された議員によって構成される元老院(上院)から成る。両院の議決が一致しない場合,法案が両院間を往復することとなるが,最後には,政府が求めれば国民議会が最終的議決を行う権限を持つ。

5.韓国の議会は,有権者の直接選挙によって選出された議員によって構成される下院と,第一級行政区画を単位として地方議員による間接選挙で選出された議員によって構成される上院から成る。上院には解散はないが,その権限は下院の議決に対して意見を表明することにとどまる。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
米国の議会について、任期は妥当です。ちなみに上院は 1/3 ずつ、2年ごとに改選されます。上院議長は、副大統領が兼務します。また、下院議長は、議員から選出されます。通常、現職の多数政党から選ばれますが、現職要件はありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
英国の議会は貴族院と庶民院からなります。前半妥当です。後半ですが、貴族院の最高裁判所としての機能は 2009 年に、連合王国最高裁判所が新設されると共に、その機能を喪失しました。選択肢 2 は誤りです。(この試験時点の 10 年程度前までは機能を有してた!)

選択肢 3 ですが
ドイツの連邦参議院は、州の代表者が来て、1 名の代表者によって、州人口に応じて割当てられた議決権を一括行使するという場所です。この代表者は、議員によって間接選挙で選ばれるわけではありません。選択肢 3 は誤りです。(州代表の意見聞くようのもう一院 という、理屈のある構成は面白い・・・)

選択肢 4 は妥当です。
フランスの議会についての記述です。

選択肢 5 ですが
韓国の議会は一院制です。下院と上院からなるわけではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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