公務員試験 H27年 国家専門職(食品衛生監視員) No.6食品衛生学Ⅱ(2)解説

 問 題     

食品添加物である亜硝酸ナトリウムに関する次の記述のA~Eに当てはまるものを語群から選び出しそれぞれの番号を記せ。

亜硝酸ナトリウムは、食品のA として食肉や魚卵の色素を安定化させる目的で使用する。これは肉色素のミオグロビンや、血色素のヘモグロビンなどの色素タンパク質が不安定で、酸化作用によって褐変するため亜硝酸ナトリウムによってB を結合させ安定な鮮紅色を生み出す。

亜硝酸ナトリウムにはC などの偏性嫌気性菌の生育抑制作用や食肉製品に特有の芳香を生成させる働きもある。一方食品中のジメチルアミンと反応して強いD を示すE を生じる。

<語群>①サルモネラ属菌、②ボツリヌス菌、③着色料、④発色剤、⑤酸化防止剤、⑥アミノ基、⑦ニトロソ基、⑧ニトロソアミン、⑨ベンゾピレン、⑩腎毒性、⑪肝毒性、⑫発がん性

 

 

 

 

 

 解 説     

代表的な発色剤は、亜硝酸ナトリウム(NaNO2)です。発色剤は主に肉に使われます。肉の中の色素と、NO(ニトロソ基)が結びつくことにより、大きく2つの役割を果たします。1つは酸化を防ぐことです。もう1つは食品本来の色を増強させることです。つまり、発色剤を加えることで色がより鮮やかになり、かつ変色を防ぐことができるのです。

亜硝酸は、魚肉や魚卵などに含まれる第二級アミンと、胃酸酸性下で反応することで、ニトロソアミンを生成します。ニトロソアミンはシトクロム P450 により代謝されることにより、発がん物質に変化することが知られています。

以上より
A 発色剤 ④
B ニトロソ基 ⑦
C ボツリヌス菌 ②
D 発がん性 ⑫
E ニトロソアミン ⑧ です。

コメント