公務員試験 H27年 国家一般職(高卒 基礎) No.38解説

 問 題     

市場経済の機能等に関する記述として最も妥当なのはどれか。

  1. 市場で自由競争が行われている場合需要量が供給量を上回ると価格は下落し供給量が需要
    量を上回ると価格は上昇する。これを需要・供給の法則という。
  2. 市場の失敗のうちある経済主体の活動が市場を通さずに他の経済主体に対して不利益を与えることを外部不経済という。例えば自動車の排気ガスによる大気汚染で住民の健康が害されることが挙げられる。
  3. 同一産業・業種の企業の合併をカルテル同一産業の複数企業による価格などに関する協定締結をトラストという。これらは我が国ではいわゆる独占禁止法により禁止されている。
  4. 国民経済全体の活動水準を表す指標に一国の国民が生産した付加価値の合計である国内総生産(GDP)がある。これから海外からの純所得を差し引いた額を国民所得(NI)という。
  5. 物価が持続的に上昇するインフレーションの下では貨幣価値が高まり企業などの債務が実質的に重くなる。特に景気過熱の下でのインフレーションをスタグフレーションという。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが、需要量が供給量を上回るというのは「欲しい!」という人がいっぱいいるけど、モノが行き届いていない状況です。この時価格は「上昇」します。価格の上昇と下落が逆です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、妥当な記述です。

選択肢 3 ですが、合併がトラストです。協定がカルテルです。独禁法により禁止されているのはカルテルだけです。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが、(G)NIが「日本人による付加価値合計」、GDPが「日本における付加価値合計」の違いと考えるとよいです。海外からの純所得を引くことで算出できるのはGDPです。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが、スタグフレーションは、不況時にもかかわらず、物価が高騰する現象です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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