公務員試験 H27年 国家一般職(化学) No.37解説

 問 題     

リン脂質に関する次の記述の ㋐ ~ ㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「図のような構造式をもつリン脂質は ㋐ であり、sn -1 位に ㋑ が sn-2 位に ㋒ が結合している。また遊離した ㋑ の融点は,遊離した ㋒ の融点よりも ㋓ 。」

 
1 ホスファチジルセリン ステアリン酸 オレイン酸 高い
2 ホスファチジルセリン パルミチン酸 リノール酸 低い
3 ホスファチジルエタノールアミン ステアリン酸 オレイン酸 低い
4 ホスファチジルコリン ステアリン酸 リノール酸 高い
5 ホスファチジルコリン パルミチン酸 オレイン酸 高い

 

 

 

 

 

 

正解 (5)

 解 説     

右下部分の、第四級アンモニウムカチオンに注目すればこの部分がコリンです。従って、このリン脂質はホスファチジル「コリン」であると考えられます。正解は 4 or 5です。

sn-1 位 というのは、立体特異的番号付けです。主に脂質を含むグリセロール誘導体に対して用います。sn は、stereospecifically numbered の略です。ポイントは上が 1 です。従って、sn-1 位とは、下図の赤丸部分になります。

C16、不飽和脂肪酸はパルミチン酸です。

以上より、正解は 5 です。

ちなみに、ステアリン酸は C18 不飽和脂肪酸です。また、sn-2 位に結合しているのは、末端メチルから見て9番目に二重結合が1個あるので、ω―9、C18,1 です。オレイン酸です。

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