公務員試験 H27年 国家一般職(化学) No.36解説

 問 題     

イオン交換樹脂に関する次の記述の ㋐ ~ ㋕ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「スチレンと p -ジビニルベンゼンの共重合体にスルホ基 (-SO3H) やカルボキシ基 (-COOH)などを導入したものは ㋐ イオン交換樹脂と呼ばれ、アミノ基 (-NH2) やトリメチルアンモニウム基 (-N(CH3)3+)などを導入したものは ㋑ イオン交換樹脂と呼ばれている。食塩水を ㋒ イオン交換樹脂を詰めた円筒に通すと塩酸が得られる。

イオン交換樹脂を膜状にしたものはイオン交換膜と呼ばれ、陽イオン交換膜は ㋓ イオンのみを、陰イオン交換膜は ㋔ イオンのみを通過させる性質をもつ。水酸化ナトリウム製造のイオン交換膜法では ㋕ イオン交換膜で電極間を仕切って食塩水の電気分解を行う。このとき陽極側に飽和食塩水を、陰極側に純水を補給し、陰極側から水酸化ナトリウム水溶液を得る。」

㋐ ㋑ ㋒ ㋓ ㋔ ㋕
1. 陽 陰 陽 陽 陰 陽
2. 陽 陰 陽 陰 陽 陰
3. 陽 陰 陰 陰 陽 陽
4. 陰 陽 陽 陽 陰 陽
5. 陰 陽 陰 陰 陽 陰

 

 

 

 

 

正解 (1)

 解 説     

陽イオン交換樹脂は、陽イオンを交換する樹脂です。従って、樹脂側は負電荷を有する官能基並んでいます。

一方、陰イオン交換樹脂は陰イオンを交換する樹脂です。従って、樹脂側は正電荷を有する官能基並んでいます。特に本問では、トリメチルアンモニウム基に「+」電荷がついているのでこちらが陰イオン交換樹脂と判断しやすいと思われます。㋐が陽、㋑が陰です。正解は 1~3 です。

陽イオン交換膜は、樹脂に陰イオンが並んでいるのだから陰イオンは電気的反発力により通過できません。よって㋓が陽で、㋔が陰です。

以上より、正解は 1 です。

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