公務員試験 H27年 法務省専門職員 No.10解説

 問 題     

フィードラー (Fiedler, F. E.) によって提唱された条件即応モデル (contingency model) において、リーダーシップの有効性は、リーダーの特性と集団状況との組合せによって決まるとされている。

リーダーの特性は「関係志向型」と「課題志向型」の二つの型に分けられる。また、集団状況は「リーダーとメンバーの関係の良さ」、「課題が構造化されている程度(仕事の目標手続の明瞭さ)」、「リーダーのもつ地位勢力」の三つの要因に分けられ、それらの組合せによって、下表のように、Ⅰ (リーダーにとって特に有利) から (リーダーにとって特に不利) までの 八つの状況が構成される。

リーダーシップの特性を「関係志向型」と「課題志向型」に分け、表に示すⅠ~Ⅷ の集団状況におけるリーダーシップの有効性(集団業績)を表した模式図として、最も妥当なのはどれか。

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

フィードラーのリーダーシップに関する条件即応モデルについてです。このようなグラフ問題では、特定の点や部分に注目して考えるのが定石です。一例を以下にあげます。

リーダーシップの特性が課題志向型、つまり「目標必達!今月はこれに向かって、全員頑張れ!」みたいな感じであれば「課題の構造化が低い」場合において、課題が明確になるため、そうでない場合と比較して成果が高いと考えられます。つまり、課題の構造化が低い「Ⅲ、Ⅳ」、「Ⅶ、Ⅷ」について、集団業績に関して点線が高くなっている模式図が正解です。

さらに、「Ⅲ、Ⅳ」と「Ⅶ、Ⅷ」の違いはリーダーの地位勢力です。課題の構造化が低く、課題を示すのがリーダーである場合、リーダーの地位勢力は強い方が業績は上がると考えられます。以上より、Ⅲ、Ⅳ 及び Ⅶ、Ⅷ が 共に ↘ 傾向 にあるものが正解です。

選択肢 2,4 に注目すると
Ⅲ、Ⅳが↗なので、誤りと考えられます。

選択肢 1 に注目すると
Ⅶ、Ⅷが↗なので、誤りと考えられます。

選択肢 5 ですが
Ⅶ、Ⅷにおいて、課題志向型のリーダーの場合の集団業績があまりにも低すぎます。誤りと考えられます。

以上より、正解は 3 です。

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