公務員試験 H26年 国家一般職(化学) No.40解説

 問 題     

生体膜に関する次の記述の ㋐ ~ ㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「生体膜を構成する脂質のうち主要なものは ㋐ であり一つの極性部分と二つの長い疎水性の ㋑ の部分を有している。水相では ㋐ は疎水性相互作用により脂質二重層を形成する。そのため生体膜は表面が ㋒ の性質を内部が ㋓ の性質を有する。」

 
1. リン脂質 脂肪酸の炭化水素鎖 疎水性 親水性
2. リン脂質 脂肪酸の炭化水素鎖 親水性 疎水性
3. リン脂質 イソプレノイド鎖 疎水性 親水性
4. コレステロール イソプレノイド鎖 疎水性 親水性
5. コレステロール イソプレノイド鎖 親水性 疎水性

 

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

脂質二重層を形成する脂質はリン脂質です。(※これは基礎知識です。)リン脂質はリン酸基と二つの脂肪酸部分を有する構造です。脂質二重層は疎水性を内側に向けた二重膜です。以下の図のようなイメージです。

表面はリン酸基 = 親水性の部分 が整列しています。従って、表面は親水性、内部が疎水性 の性質を有します。

以上より、正解は 2 です。

ちなみに、コレステロールは平面形の分子であり、脂質二重層の隙間に入り込み「膜の流動性」を大きく左右します。

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