公務員試験 H26年 国家一般職(化学) No.33解説

 問 題     

求核置換反応に関する記述 ㋐ ㋑ ㋒ のうちから妥当なもののみを全て選び出しているのはどれか。

㋐ SN1 反応の反応速度は、基質の濃度には依存せず、求核試薬の濃度にのみ依存する。

㋑ SN1 反応の反応速度は、中間体として生成するカルボカチオンが、第三級炭素>第二級炭素>第一級炭素の順に速い。

㋒ 光学活性な化合物が SN2 反応するとき、必ずラセミ化が起こり生成物は光学不活性となる。 

  1. ㋐ ㋑
  2. ㋑ ㋒

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

㋐ですが、SN1 反応はカルボカチオン中間体を経る反応です。反応速度が「基質濃度のみ」に依存します。よって、記述 ㋐ は誤りです。

記述 ㋑ は、正しい記述です。

記述 ㋒ ですが、SN2 反応では、立体が反転し単一の化合物が生成されます。「必ずラセミ化が起こる」わけではありません。ラセミ化がおきるのは SN1 反応についての記述です。よって、記述 ㋒ は誤りです。

以上より、妥当な記述は ㋑ のみです。正解は 3 です。

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