公務員試験 H26年 国家一般職(化学) No.32解説

 問 題     

㋐、㋑、㋒の化合物について


で表される水和反応の平衡定数


の大きさが、小さいものから順に並べたものとして最も妥当なのはどれか。

㋐ CH3COCH3
㋑ ClCH2CHO
㋒ CH3CHO

小 ← K → 大

1.㋐ ㋑ ㋒
2.㋐ ㋒ ㋑
3.㋑ ㋒ ㋐
4.㋒ ㋐ ㋑
5.㋒ ㋑ ㋐

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

カルボニル(C=O)に、水の O 原子上の孤立電子対がアタックする所から反応が開始すると考えられます。

㋐は、R , R’ が共に CH3です。㋑は、R が CH2Cl , R’ が H、㋒は、R が CH3 , R’が H です。これらの置換基ですが、アルキル基は「電子供与基」です。※これは基本知識です。つまり、電子を押し出すイメージの置換基です。炭素が多いほど電子供与なので、H よりも CH3 が電子を与えるイメージになります。一方、CH2Cl は、Cl が電気陰性度が高く電子吸引基として働くと考えられます。

反応の開始のためには、カルボニル基がより分極していればよいと考えられます。電子供与基がついていると、C=O の Cδ+に電子が流れて、分極の度合いは小さくなります。つまり反応があまり進行しないため Kh は小さくなると考えられます。

従って、2 つ CH3 がついている ㋐ が一番 Kh が小さく、CH2Cl がある ㋑ が一番 Kh が大きいと推測されます。

以上より、正解は 2 です。

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