公務員試験 H26年 法務省専門職員 No.38解説

 問 題     

次は「生活綴方運動」に関する記述であるが、A~Dに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

生活綴方の教育の歴史的源流は、大正期の A の主張・実践にある。A らは課題作文による大人の文章表現の押し付けを排除し、子どもに自由な題材で自己を表現させる随意選題を提唱した。次いで、B を中心とする児童雑誌『赤い鳥』では、観念的な美文調から子どもを解放して、自由な表現を尊重する文章表現指導が展開された。

昭和期に入ると、折からの社会不安を契機に生活に根ざす教育運動が展開され、小砂丘忠義らは生活中心的な立場からC を刊行し、生活綴方の概念を示した。

1940 (昭和15) 年頃からの全国的な弾圧による中断の後、1951 (昭和26) 年に無着成恭の指導によるD の刊行を契機に生活綴方復興の気運が高まった。その後は、民間教育研究運動として今日に至っている。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

生活綴方(せいかつつづりかた)とは、日本独自の「書くこと」による教育実践法です。

大正期の芦田恵之助らの主張、実践が源流です。そして、鈴木三重吉が創刊した児童雑誌「赤い鳥」で推進されました。昭和期に小砂丘(ささおか)忠義らが刊行したのは「綴方生活」です。戦後、無着成恭により刊行されたのは「山びこ学校」です。

以上より、正解は 4 です。

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