公務員試験 H26年 法務省専門職員 No.37解説

 問 題     

次の文章は R. M. ハッチンスに関する記述であるが、A B Cに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「学習社会」という言葉は、1960年代後半に米国のハッチンスが初めて使用して以来、世界的に注目されるようになった。若くしてシカゴ大学総長をつとめるなどしたハッチンスは、1968年に『学習社会論』(“The Learning Society”)を刊行した。その中で彼は、学習社会を「すべての成人男女にいつでも A の成人教育を提供するだけでなく、学習、達成、B になることを目的とし、あらゆる制度がその目的の実現を志向するように価値の転換に成功した社会」と定義している。

ハッチンスは未来の社会を C と予測し、未来社会では人間らしく生きるための学習を続けることができるようになるとする。このようなハッチンスの考え方は、ユネスコのフォール・レポートに影響を及ぼした。

A B C
1. 通信制 人間的 福祉社会
2. 通信制 社会的 余暇社会
3. 通信制 社会的 福祉社会
4. 定時制 人間的 余暇社会
5. 定時制 社会的 余暇社会 

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

ハッチンスを端緒として「学習社会」という言葉が使われるようになりました。「学習社会」とは、「・・・職業のためでなく、人間的になることに重点が置かれるような価値の転換が必要で、いつでも学べる定時制教育を提供するだけでなく、学習、達成、人間的になることを目的とし、、、た社会」と定義しました。記述 A、B ですが、A は「定時制」です。B は「人間的」です。

また、ハッチンスは未来の社会を、労働から解放された「賢く、楽しく、善く生きる」ための制度を備えた余暇社会と考えました。記述 C は「余暇社会」です。

以上より、正解は 4 です。

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