公務員試験 H26年 法務省専門職員 No.36解説

 問 題     

公立学校 (地方独立行政法人法に規定する公立学校法人が設置する大学及び高等専門学校を除く。) における教職員の服務に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1. 教育基本法は、学校教育法に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他の政治的活動をしてはならないと規定しているため、教員が、学校で政治的教養を豊かにするための教育を行うことは一切禁じられている。

2. 教育公務員特例法は、教育公務員は、教育に関する他の職を兼ね、又は教育に関する他の事業若しくは事務に従事することが本務の遂行に支障がないと任命権者において認める場合には、給与を受け、又は受けないで、その職を兼ね、又はその事業若しくは事務に従事することができると規定している。

3. 地方公務員法は、職員は、地方公共団体の機関が代表する使用者としての住民に対して同盟罷業、怠業その他の争議行為をし、又は地方公共団体の機関の活動能率を低下させる怠業的行為をしてはならないと規定している。しかし、その行為を企てたり、その遂行をあおったりすることは、これを禁じる規定はなく、服務違反には当たらない。

4. 地方公務員法は、職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならないと規定しており、退職後においてもこれに違反しても罰則はないが、在職中と同様に職務上知り得た秘密を漏らしてはならないと規定している。

5. 地方公務員法は、職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならないと規定している。しかし、これは職員が職務の遂行に当たって守るべき職務上の義務であり、勤務時間外の私的な行為については、この限りではないとされている。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
教育基本法第 14 条によれば、良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。とあります。政治的教養を豊かにするための教育が一切禁じられているわけではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当な記述です。

選択肢 3 ~ 5 ですが
地方公務員法第 33 条によれば、いわゆる信用失墜行為を行ってはいけません。信用失墜行為には、私的な行為における飲酒運転等も含まれます。地方公務員法第 34 条によれば、退職後も同様に扱われるため、罰則があります。地方公務員法第 37 条によれば、怠業的行為を企てたり、遂行をあおったりしてはいけないと規定されています。選択肢 3 ~ 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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