公務員試験 H26年 国家一般職(行政) No.15解説

 問 題     

予算及び決算に関するア~オの記述のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

ア. 予算が様々な事情により新会計年度の開始までに成立しなかった場合は、暫定予算によることとなる。暫定予算は、本予算が成立するまで予算に空白を生じさせないための暫定的な措置にすぎないことから、内閣は暫定予算を国会の議決を経ることなく支出することができ、同予算に基づき支出されたものは、後に成立した本予算に基づき支出されたものとみなされる。

イ. 国の会計は、一般会計のほかに、特定の歳入をもって特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合に特別会計を設置することが認められており、この特別会計の予算については、毎会計年度国会の議決を経る必要がないなど一般会計の予算と異なる取扱いとすることが認められている。

ウ. 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて設けられる予備費は、内閣の責任において支出することができるが、内閣は、その支出について、事後に国会の承諾を得なければならない。

エ. 明治憲法においては、予算の議決権を有する国会は、内閣が提出した原案に対して廃案削減を行う減額修正のみならず、新たな款項を設けたりその金額を増額したりする増額修正も認められていたが、日本国憲法においては、予算発案権を内閣に専属せしめている趣旨から国会の増額修正は認められないと一般に解されている。

オ. 内閣は、一会計年度における財務の実績を示す確定的計数を内容とする決算を毎年会計検査院に送付し、その検査を受けることとされ、その後、検査を経た決算を会計検査院の検査報告とともに国会へ提出することとされている。

1. アオ
2. ウエ
3. ウオ
4. アイエ
5. イウオ

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

記述 ア ですが
予算は国会の議決に基づかなければなりません。暫定予算も国会の議決が必要です。もしも暫定予算は議決がいらないという制度であれば、国会のチェックがきかない暫定予算ばかり支出されてしまいます。記述 ア は誤りです。

記述 イ ですが
憲法上、一般会計と特別会計は特に区別されていません。従って、一般会計と同様に、毎会計年度国会の議決を経る必要があります。記述 イ は誤りです。

記述 ウ は妥当です。
予備費についての記述です。事後、国会承諾が必要です。

記述 エ ですが
一般に、予算の同一性を損なわない範囲での増額修正は認められていると解されます。「増額修正が認められない」わけではありません。記述 エ は誤りです。

記述 オ は妥当です。
会計検査に関する記述です。

以上より、正解は 3 です。

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