公務員試験 H25年 国家専門職(食品衛生監視員) No.1分析化学Ⅱ(3)解説

 問 題     

⑶ 未知の濃度の塩化ナトリウム溶液 25 mL をビーカーにとり、クロム酸カリウム溶液を加えた後、0.500 mol/L の硝酸銀溶液を一定の温度のもとで滴定したところ、クロム酸銀の沈殿が生じるまでに 10.25 mL を要した。

なお、同条件で空試験を行ったところ0.25 mL を要した。この結果より滴定前の塩化ナトリウム溶液のモル濃度を求めよ。ただし途中の計算式も示すこと。

 

 

 

 

 

 解 説     

硝酸銀溶液を滴定する前は、Cl と CrO42- が共存する溶液です。ここに 硝酸銀溶液つまり Ag+ を添加すると先に AgCl(白)沈殿 が、Cl イオンがなくなるまで形成されます。

空試験、すなわち「未知濃度の塩化ナトリウムがない状態」でも、クロム酸銀の沈殿が生じるまでに 0.25 mL 要しているので「Cl- イオンがなくなるまでに必要だった硝酸銀溶液の量は10.25 ー 0.25 = 10.00 mL」とわかります。

0.5mol/L の硝酸銀溶液 10mL(= 0.01L) に含まれる Ag+ は、0.5 × 0.01 = 0.005 mol です。塩化ナトリウム溶液の濃度を x (mol/L) とすれば、塩化ナトリウム溶液 25 mL(= 0.025L) に含まれる Cl は、0.025 x mol です。

Ag+ と Cl は 1:1 で反応して、AgCl 沈殿を形成します。従って、0.025x = 0.005 です。

以上より
x = 0.2 mol/L とわかります。

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