公務員試験 H25年 国家専門職(食品衛生監視員) No.1分析化学Ⅲ解説

 問 題     

Ⅲ 食品中の残留農薬などの定量分析において、ガスクロマトグラフィーが用いられており、その検出器には様々なものがある。検出器として、EI 法による質量分析計 MS を用いる場合と、炎光光度検出器 FPD を用いる場合について、その原理や主な利用目的を検出器一つ当たり 4 行程度で説明せよ。

 

 

 

 

 

 解 説     

回答例)
【EI(Electron Ionization) 法による MS(mass spectrometry) を用いる場合の原理、利用目的】
試料を熱で気化させた状態で、熱電子を衝突させることによりイオン化した上で、磁場の中を通過させて該当物質の質量をもった物質が存在するかどうかを検出するという原理である。EI 法により、試料がフラグメント化しやすいため、分子量が比較的小さい試料に対しての検出に用いる。

【FPD(Flame Photometric Detector) の原理、利用目的】
物質を炎の中に入れることにより構成原子(団)が発光する。この発光は原子固有の波長を持つため、波長を測定することで物質を検出するという原理である。高感度である点が特徴であり、P、S 等含有物質や、有機スズ化合物の検出に用いられる。

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