公務員試験 H25年 国家一般職(化学) No.26解説

 問 題     

2 種類の溶質 A, B と溶媒のみからなる試料溶液 X のガスクロマトグラムを得た。このクロマトグラムにおける A と B の各ピークは、定量が可能なほど分離しており、それぞれのピーク面積 SA と SB の比 SA/SB は 1.2 であった。

次に、X 1000 g に対して A 0.10 g を加えて十分に混合した試料溶液 Y を調製し、X の測定と同じ条件で Y のガスクロマトグラフィーを測定した。得られた Y のクロマトグラムにおける SA/SB は1.5であった。

SA、SBがそれぞれ、A、B の質量に比例すると仮定すると、X 1000 g 中の A の質量は何 g と見積もられるか。

1. 0.2 g
2. 0.3 g
3. 0.4 g
4. 2 g
5. 3 g

 

 

 

 

 

正解 (3)

 解 説     

クロマトグラムのピーク面積比がそのまま質量比とあります。ピーク面積比は SA/SB が 1.2 ということなので 1.2 = 6/5 であることから、SA:SB は 6:5です。 従って、試料溶液 X における溶質 A の質量を X(g) とおけば、溶質 B の質量は 5X/6  (g)表すことができます。 ※比で言う ⑥ が X (g) なら、比で言う ① が X/6 なので、比で言う ⑤ は 5X/6 です。
 
溶質 A を 0.1g 加えると、ピーク比が 1.5 となっています。1.5 = 3/2 なので、溶質 A を 0.1g 加えた後の A と B の比は3:2です。

従って、溶質 B の質量について

が成り立つと考えられます。
 
このままだと微妙に代入しても答えがわかりにくいので、分数部分をなくすために両辺に 6 をかけます。すると 4(X+0.1) = 5X です。選択肢の式を代入していけば X = 0.4 です。

以上より、正解は 3 です。

コメント