公務員試験 H25年 国家一般職(化学) No.25解説

 問 題     

7 種類のイオン Br, Cl, F, NO2, NO3, PO43-, SO42- を含む試料溶液をイオン交換クロマトグラフィーで分析した。図は、この分析で得られたクロマトグラムである。図中の ㋐〜㋔ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。ただし、試料溶液の各イオンの濃度は等しくない。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

㋐ですが
分析対象が陰イオンなので、陰イオン交換樹脂です。正解は 3~5 です。

つい「あれ、陰ってどっちだったっけ・・・?」となるので、イメージをしっかり確認しておくとよいです。「◯イオン交換樹脂」と来たら「◯イオンをキャッチする樹脂」と読み替えると思い出しやすいかもしれません。下図がイメージになります。

グラフにおいて「保持時間が短いもの」 は「樹脂につかまる力が弱かった」 ということです。「イオンの形が大きい」方が、より樹脂との接触が多く樹脂につかまる力が強いと考えられます。逆に「形が小さい」方が樹脂との接触が小さく樹脂につかまる力が弱いため、保持時間が短く、最初の方のピークとして出てくると考えられます。

FとClでは、周期表において「第2周期」と「第3周期」という違いがあります。そのため、最外殻が Cl の方が外です。Cl の方が「全体として形が広がって大きい」とわかります。よって、F の方が先に溶出され、Clの方が後に溶出されると考えられます。正解は 4 or 5 です。

同様に
NO2 とNO3 では、NO3 の方が全体として大きく、より溶出が遅いと考えられます。

以上より、正解は 4 です。

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