公務員試験 H25年 国家一般職(化学) No.27解説

 問 題     

塩化水素 HCl ガスの高分解能赤外スペクトルに関する次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「図は、HCl ガスの高分解能赤外スペクトルである。観察された吸収ピーク①〜⑧は、それぞれ 2 本に分裂しておりこれらは H35Cl とH37Cl に由来する。各吸収ピークにおける H35Cl 由来の吸収は、いずれも ㋐ 波数側に観察される。HCl の H を重水素 D に置換した D35Cl の赤外スペクトルは、H35Cl のスペクトル ㋑ に観察される。」

 ㋐ ㋑

  1.  高 よりも高波数側
  2.  高 よりも低波数側
  3.  低 よりも高波数側
  4.  低 よりも低波数側
  5.  低 と同じ位置

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

波数とは、1cm 辺りの振動数です。赤外吸収スペクトルでは、分子の振動に対応するエネルギーを測定します。そのため「重たい分子」の方がゆっくり振動して、その分波数が小さくなります。H35Cl の方が H37Cl よりも軽いので、よりジタバタ動きます。つまり、H35Cl の方が高波数側とわかります。正解は 1 or 2 です。
 
全く同じ理由から、D に置換した方が重いので、ゆっくり動いていて低波数側とわかります。

以上より、正解は 2 です。

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