公務員試験 H28年 国家専門職(食品衛生監視員) No.2食品化学Ⅲ(1)(2)解説

 問 題     

油脂の反応や性質に関する以下の問いに答えよ。

⑴ マーガリンやショートニングの製造に用いられる油脂の反応について5 行程度で説明せよ。

⑵ 油脂の特性を示す次の指標について,それぞれ 2 行程度で説明せよ。
① ケン化価
② ヨウ素価
③ 酸価

 

 

 

 

 

 解 説     

解答例)
マーガリンやショートニングは硬化油と呼ばれます。硬化油は、融点の低い魚油や植物油といった多価不飽和脂肪酸に対して、二重結合の一部に水素を付加させる還元反応を行う事により製造されます。この結果、融点が上昇し、酸化されにくくなり、適度な硬さを有するようになります。水素付加を行う還元過程において、二重結合の移動や、シスートランス異性化がおきます。

ケン化価・・・ケン化価とは、1g の油脂をケン化するために必要な KOH 等の量のことです。単位は mg です。ケン化価は、油脂中の脂肪酸の平均分子量の指標です。

ヨウ素価・・・ヨウ素価とは、油脂 100g に吸収されるハロゲンの量をヨウ素の g 数で表したものです。不飽和脂肪酸の二重結合を検出します。

酸価・・・酸価とは、油脂 1g 中に存在する遊離脂肪酸中和のために必要なKOH の mg 数のことです。油脂の変敗を判別する指標として用いられます。

類題 H24No2Ⅱ(3)H26 No2 Ⅲ

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