問 題
リン脂質に関する次の記述の ㋐ ~ ㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。
「図のような構造式をもつリン脂質は ㋐ であり、sn -1 位に ㋑ が sn-2 位に ㋒ が結合している。また遊離した ㋑ の融点は,遊離した ㋒ の融点よりも ㋓ 。」
㋐ | ㋑ | ㋒ | ㋓ | |
1 | ホスファチジルセリン | ステアリン酸 | オレイン酸 | 高い |
2 | ホスファチジルセリン | パルミチン酸 | リノール酸 | 低い |
3 | ホスファチジルエタノールアミン | ステアリン酸 | オレイン酸 | 低い |
4 | ホスファチジルコリン | ステアリン酸 | リノール酸 | 高い |
5 | ホスファチジルコリン | パルミチン酸 | オレイン酸 | 高い |
正解 (5)
解 説
右下部分の、第四級アンモニウムカチオンに注目すればこの部分がコリンです。従って、このリン脂質はホスファチジル「コリン」であると考えられます。正解は 4 or 5です。
sn-1 位 というのは、立体特異的番号付けです。主に脂質を含むグリセロール誘導体に対して用います。sn は、stereospecifically numbered の略です。ポイントは上が 1 です。従って、sn-1 位とは、下図の赤丸部分になります。
C16、不飽和脂肪酸はパルミチン酸です。
以上より、正解は 5 です。
ちなみに、ステアリン酸は C18 不飽和脂肪酸です。また、sn-2 位に結合しているのは、末端メチルから見て9番目に二重結合が1個あるので、ω―9、C18,1 です。オレイン酸です。
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