過去問 2020年 国家一般職(高卒 基礎)No.28解説

 問 題     

第一次世界大戦と大正デモクラシーなどに関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.ヨーロッパで第一次世界大戦が勃発すると,我が国は,日英同盟を根拠にフランスに宣戦布告し,フランス領インドシナと中国における租借地である大連を占領した。

2.大戦中,ヨーロッパとの貿易が途絶えたことで我が国の経済は不況となり,各地で米騒動が起きた。戦争が終結すると,貿易が再開され,海運,造船業を中心に我が国は好景気となった。

3.平民宰相と呼ばれた原敬は,25 歳以上の男女に選挙権を与える普通選挙法を成立させるとともに,社会主義運動を取り締まることを目的とした治安維持法を成立させた。

4.大正時代には,大正デモクラシーと呼ばれる民主主義的,自由主義的な風潮が強まり,憲法学者の美濃部達吉は天皇機関説を唱え,政治学者の吉野作造は民本主義思想を展開した。

5.大正時代の文学では,人間性を解放し,個人の自由な感情をうたいあげるロマン主義の新体詩や小説が主流となり,樋口一葉が『みだれ髪』,石川啄木が『人間失格』などを著した。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
ヨーロッパでの第一次世界大戦勃発の後、日本が宣戦布告したのは「ドイツ」です。フランスではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
第一次世界大戦→大戦中に大戦景気→「物価上昇」→米騒動です。(H29no28)。「ヨーロッパとの貿易が途絶えたことで」ではありません。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
女性への選挙権は 第二次世界大戦後です。(H29no28)。ちなみにですが、加藤高明内閣下において、普通選挙法と同時に、治安維持法が制定されました。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当です。
大正デモクラシーについての記述です。

選択肢 5 ですが
「みだれ髪」は与謝野晶子です。樋口一葉は「たけくらべ」などです。また、「人間失格」は太宰治です。著者と代表作の対応が違います。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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