公務員試験 2020年 国家一般職(教養) No.33解説

 問 題     

生物の代謝に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.アデノシン三リン酸(ATP)は,塩基の一種であるアデニンと,糖の一種であるデオキシリボースが結合したアデノシンに, 3 分子のリン酸が結合した化合物であり,デオキシリボースとリン酸との結合が切れるときにエネルギーを吸収する。

2.代謝などの生体内の化学反応を触媒する酵素は,主な成分がタンパク質であり,温度が高くなり過ぎるとタンパク質の立体構造が変化し,基質と結合することができなくなる。このため,酵素を触媒とする反応では一定の温度を超えると反応速度が低下する。

3.代謝には,二酸化炭素や水などから炭水化物やタンパク質を合成する異化と,炭水化物やタンパク質を二酸化炭素や水などに分解する同化があり,同化の例としては呼吸が挙げられる。

4.光合成の反応は,主にチラコイドでの光合成色素による光エネルギーの吸収,水の分解と ATP の合成,クリステでのカルビン・ベンソン回路から成っており,最終的に有機物,二酸化炭素,水が生成される。

5.酒類などを製造するときに利用される酵母は,酸素が多い環境では呼吸を行うが,酸素の少ない環境では発酵を行い,グルコースをメタノールと水に分解する。このとき,グルコース1 分子当たりでは,酸素を用いた呼吸と比べてより多くの ATP が合成される。

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

選択肢 1 ですが
アデノシン アデニン +「リボース」です。「デオキシリボース」ではありません。また、ATP は別名エネルギー通貨と呼ばれ、高エネルギーリン酸結合を2つ有する化合物です。この結合が加水分解される際に、エネルギーを「放出」し、様々な反応を進行させます。エネルギーを「吸収」ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
酵素に関する記述です。

選択肢 3 ですが
合成するのは「同化」です。分解するのが「異化」です。異化の例が呼吸です。同化と異化について、逆です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
光合成は 「二酸化炭素+水+光エネルギー → ブドウ糖 + 酸素」という反応です。ブドウ糖は有機物の一種です。従って、最終的に「有機物と酸素」が生成されます。「二酸化炭素、水」が生成されるわけではありません。選択肢 4 は誤りです。(参考 H30 no33)。

選択肢 5 ですが
酵母の発酵により生じるのは「エタノール と水」です。(参考 H30 no32)。また、発酵のような酸素を用いない呼吸の方が、グルコース1分子当たりの ATP 合成量は少ないです。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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